或るサラリーマンのブログ

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【イベントレポ】価値主義、評価経済って何?サラリーマンはどうすればいいの?

NewsPicksアカデミアのイベント、
佐藤航陽「個人は経済の主役となれるのか」
に参加してきました。
モデレーターに幻冬舎の編集者、箕輪さんを迎えての対談でした。
 
◯ITの発達、世の中の仕組みが急速に変わる
2017年9月、個人の「時間」が売買できるサービス「タイムバンク」がリリースされました。
今年5月には、個人が株式会社のように擬似株式を発行して売買することができるサービス「VALU」がリリースされており、今年は新しい経済のあり方が提言される「新経済元年」になりそうです。
似たようなサービスが、似たような時期にリリースされたわけですが、佐藤さんは、「タイムバンク」の構想を、2013年から仕込んでいたといいます。スマホの普及で、これは金融が変わるな、と思っていたらしい。
佐藤さんは、今年7月、ブログでこんな記事をアップしています。

佐藤 航陽 | 佐藤航陽のブログ

個人が経済の主役になるために足りないことについて、以下のように述べています。

ネットが普及して個人の時代と言われて10年以上経ち、実際にトラフィックは個人に紐付いてますが、経済活動においては大半が企業に依存しています。

では、個人が企業に比べて何が足りないか? 現状の経済の中で、個人と企業の大きな違いは「資産」だと思いました。個人が「収入」を得る手段は増えましたが、個人が「資産」を得る手段がない限りは、個人は経済の主役にはなれないと思っています。

 

個人が企業と同じようにその専門性や影響力や信用力をもとに生きていくためには、毎日の「収入」を稼ぎながらも、日々の活動から「資産」を築き上げていくことが不可欠です。会社にとっての株式と同じように、個人にとっての「時間」を実質的な資産として機能させることができれば、個人も会社と同じように自分の価値にレバレッジをかけて経済活動を展開することができるようになります。

新しい資金調達の手段として、クラウドファンディングが定着してきましたが、クラウドファンディングは、プロジェクト単位で「資産」を築き上げられる仕組みですが、これを拡大して、個人として資産を築き上げられる仕組みが、タイムバンクなんだと思います。
 
◯お金と時間、どっちが大事?
よくある質問で、「お金と時間、どっちが大事?」ってありますよね。
時間はお金じゃ買えないから、時間の方が大事!と口では言うけど、
休みの日は一日中ダラダラ過ごして、普段の生活では節約を心がけていたりして。
自分は実際は、時間よりもお金を大切にしているかもしれないな、と思います。
佐藤さんは語ります。
本来、人間の時間はとても価値があったもの。それを買い叩くことで一部の人が儲けてきたのが、資本主義社会の本質である、と。
人間が生きていく上で、お金は増やせるけど、時間は増やせない。人が一生で与えられた時間は決まっている。
一般的に、希少性が高いものには高い価値がつく。この考えに基づけば、本来はお金より時間の方が価値があるものなのです。
 
お金より時間のようが価値がある、ということを、リアルに感じることができた瞬間でした。
  
◯世の中の価値観が変わっていく
新しい経済を表す言葉として、「評価経済」とか「価値主義」というものがあります。
資本主義の弱点は、お金で換算できないものは、存在しないものになることだと言います。
確かに、会社の財務諸表を見ると、土地や商品や人件費などは数字に表れますが、会社の取り組みに対する世の中の共感度や、社員の幸福度などはわかりません。
ネットが普及して、価値そのものが可視化できるようになってきたことで、資本主義を補完するものができるのではないかと言います。
資本主義のモノサシ=どれだけ儲かるか
価値主義のモノサシ=どれだけ価値を感じられるか
 新しい価値観、尺度でものごとを見ていかなくてはいけません。
 
◯資本主義はなくなるのか?
個人的に、これからは評価経済がくる、資本主義でしか生きていけない自分やべえと思って漠然とした不安を抱いていたのですが、資本主義がなくなることはないと言います。
掃除機が発明されても箒はなくなっていません。メールが発明されても手紙がなくなりません。
世の中のメインは緩やかに移っていき、資本主義は縮小していくかもしれない。でも、それを信じる人がいる限り、必要とする人がいる限りは、無くならない。
佐藤さんの見立てでは、評価経済では、資本主義社会よりも貧富の差が激しいといいます。稼げない人は収入0。だけど、そのような人たちは既存の経済が支えてくれる、そのために資本主義は残り続けるといいます。
 
だから、評価経済に適応するために、全員が無理して突飛なことをする必要はなくて、
資本主義社会では日の目を見なかった、お金はないけどやりたいことがある、キャラの濃い人が、活躍できる新しい世界ができる、というイメージを持っていればいいと思います。
いままでは、資本主義っていう単一の経済の社会しかなくて、そこで生き残るために、人々はやりたくない仕事に自分の時間を費やして、生きるためにお金を稼いできた。
でもこれからは、やりたいことがある人は、お金のことを心配せずにやりたいことに力を注げる環境が整ってきたということなんだと思います。
 
◯価値主義、評価経済で豊かに生きていくためには?
今後は、自分の価値をどこでつけられるかを基準に、身を置く場所、職業を考えた方が良いといいます。
お金払ってでもやりたいと思えること、身を置きたいと思える場所。
AIの登場で、今後、多くの仕事が機械に代替されていきます。稼ぐのが上手いだけの人は埋もれていく。システムの方が上手いし効率もいい。
人間に残る価値は、個性や、人柄、この人だから頼みたい、と思えること。
以前、評価経済に関するセミナーでSHOWROOM前田社長が言っていた、「評価経済で生き抜くには、何者かであるための努力を怠らないこと」というコメントと同じだと思いました。
 
◯僕たち普通のサラリーマンはどうすればいいのか?
これから自分が、資本主義経済、価値主義経済、どちらの経済で生きていくのか、決断しなければならないといいます。
いずれを選択するにしても、楽な道ではありません。資本主義社会でAIを相手に戦うか、価値主義の社会でキャラ濃い人間を相手に戦うか。
資本主義は無くなりません。複数の価値基準、経済圏は共存しうるといいます。
はじめは、資本主義経済に身を置きながら、自分がやりたいこと、興味があることをさがしていく、ハイブリッドな生き方もあるのではないか、といっていました。
自分は何のために生きるのか。こんなことをいうと大げさだったり、思春期の悩みのように思うけど、与えられた仕事を淡々とこなして人生を消化して一生が終わるより、生きる意味とか、自分の価値とかを考えながら、悩みながら、もがきながら生きていくのも悪く無いかなって思います。自分が好きなことは何なのか、好きなことでどのように世の中に価値を与えられるのか。自問自答しながら一歩ずつ進んでいきたいと思います。